アメリカで最も有名な国立公園といえば、グランドキャニオン。ルーズベルト元大統領に「すべてのアメリカ人は生涯に一度、グランドキャニオンを訪れるべき」と言わしめたアメリカの大自然の王者とも言える自然国立公園です。1979年に世界遺産に登録され、世界中から多くの観光客が集まる大人気の絶景スポット!
アリゾナ州の北部に広がる広大な土地が何億年もかけて地殻変動し、さらに川や雨、雪による水の浸食を繰り返して現在の姿になったと言われています。
世界最大規模を誇る大峡谷、グランドキャニオン。中心を流れるコロラド川に沿った全長は約446km、総面積は4,926平方kmと東京都の2倍以上!
大迫力の断崖の深さは平均で1,200m、最深地点は1,800mにも及びます。
その多くは自然保護区域のため立ち入ることができませんが、観光が許されたごくわずかな場所だけでも、そのスケールの壮大さを味わうことができます。
最も近いゲートシティはラスベガス。陸路、空路、宿泊、周遊と多数のツアーが出ており、グランドキャニオンに行く=ラスベガス発着、というのが一般的です。
車でラスベガスからグランドキャニオンのサウスリムへ向かう場合は、移動距離約440km、約5時間ほどかかります。
空路ではロサンゼルスやサンディエゴからもアクセスが可能!
谷底に流れるコロラド川に沿って、南側の半分がサウスリム。サウスリムビレッジには道路、ホテル、マーケットなどの設備が整っています。サウスリムは一年中オープンしているため、年間約500万人が訪れるグランドキャニオン観光の中心地となっています。
「グランドキャニオン」といえばサウスリムを指すのが通常で、ツアーも特別な表記がなければサウスリムへ向かうのが一般的です。
サウスリムの対岸、谷底のコロラド川に沿って北側に位置するのがノースリム。サウスリムよりも約400mほど高い標高約2,700mにあり、冬は積雪により閉鎖されるため、5月末~10月上旬の限られた期間しか訪れることができません。アクセスが限られることや、宿泊施設が1軒しかないといった諸条件から訪問客数が少なく、静かにグランドキャニオンを楽しむことができます。
サウスリムとは直線距離で16kmしか離れていませんが、陸路でサウスリムからノースリムへ移動する場合は片道5時間かけてコロラド川を迂回しなければ辿り着けません。
国立公園の外に位置し、先住民族ワラパイ族の居留区の内部のエリアです。自然保護をモットーとした国立公園とは基本理念が異なるのが大きな特徴で、ワラパイ族の理念に基づいた入場規定・料金などで運営されています。底がガラスの橋「スカイウォーク」といったアトラクションが大人気!
グランドキャニオンウェストの中央南側にはハバスパイ居留区、北東側にはナバホ居留区など、数々の先住民居留区が公園を囲んでいます。
ロッジ、レストラン、列車の発着、展望台、ギフトショップなど必要なものがすべてそろうのがここ。ツアーで訪れる場合でも、個人旅行でも、すべての拠点となる場所です。
歴史的建造物の1つでもあるロッジ。宿泊施設だけでなく、20世紀初頭にグランドキャニオンを一躍人気観光地にした立役者、サンタフェ・レイルウェイ(列車)とそのオーナーであるフレッド・ハービーの資料館や、ギフトショップもあります。宿泊者でなくとも必ず立ち寄りたい場所の1つです。
歴代大統領や天皇陛下も宿泊したアメリカ屈指の高級ホテル。エントランスを入ると大きな暖炉とソファーに迎えられ、西部開拓時代の大邸宅に訪れたかのような雰囲気を楽しめます。宿泊しなくても、館内のギフトショップやレストランなどを覗いてみるのもおすすめです。
1924年に作られた写真スタジオ。コロラド川探索をしたコルブ兄弟の映画上映や観光客の写真販売などに使われていました。現在は写真や絵画の展示など、美術館として使われています。歴史的建造物にも指定されており、一部修復作業が進められています。
広大な園内でも1、2を争う絶景スポットが、マーサーポイント。パンフレットなどの表紙を飾ることも多い、突き出した岩崖があるおなじみの景観が楽しめるのがここ!峡谷沿いのトレイルを少し進んでから写真を撮ると、陰影が美しい写真が撮れます。
峡谷を見渡すように作られたレスト・スポットで雄大な景色を見ながらひと休みしてみましょう。
地層や園内に関する展示のほか、グランドキャニオンに関する書物やちょっとしたお土産も販売されています。
マーサーポイントから1kmほどビレッジ寄りに位置するヤバパイ・ポイント。小さなギフトショップと展望台がセットになった名所の1つです。展望台の大きな窓から峡谷のパノラマを楽しめるので、夏の雷雨シーズンには峡谷に落雷する瞬間を狙うカメラマンが多く集まる場所としても知られています。ツアーバスの乗り入れができないため、訪れる場合はシャトルバスか、マーサーポイントから徒歩で向かいます。
ヤバパイ・ポイントから森の中の遊歩道を歩いて約30分弱の距離に位置する、ヤバパイ・ロッジ横にあるスーパー兼ギフトショップ。キャンプ用品、食料、洋服などがそろう園内最大のショップです。
サウスリムの東端、イーストリムと呼ばれるポイント。西は峡谷、北東は地平線まで続く砂漠が見渡せます。ビレッジがある中心部からは車で40分ほど。冬の雪道では1時間以上かかります。
園内のシャトルバスではアクセスできないため、レンタカーなど、個人の移動手段がないと訪れにくい場所です。公園の東ゲートに近いため、グランドサークルを周遊するツアーでは立ち寄ることもあります。
先住民族の遺跡デザインをもとにグランドキャニオンの石を使って作られているため、見事に自然と調和した美しい塔。内部には先住民族の壁画などが描かれています。必見は壁に沿った螺旋階段の所々にある窓。そこから眺めるグランドキャニオンを演出する額縁のように取り付けられています。
グランドキャニオン国立公園・サウスリムには無料のシャトルバスが運行しています。
グランドキャニオンビレッジを基点に4つのルートがあり、サウスリムの中心部を走る「ビレッジ・ルート」、サウスリム西側を走る「ハーミッツ・レスト・ルート」(※3~11月のみ運行)、サウスリム東側を走る「カイバブ・リム・ルート」、「ツサヤン・ルート」(※3~9月のみ運行)に分かれています。
どのルートも日の出1時間前~日没1時間後までを目安に、約10~30分間隔で運行しています。タイムスケジュールはなく、必ず時間通りに運行されていないためご注意ください。
「ハーミッツ・レスト・ルート」「カイバブ・トレイル・ルート」は一般車立ち入り禁止のため、サウスリムの西と東を観光したい方はシャトルバスの利用がおすすめ!
逆にシャトルバスでアクセスできないエリアもあるので、行きたいエリアや日程に合わせて観光方法を検討してください。
※2019年10月時点の情報です。
ノースリムに訪れる観光客はサウスリムの10分の1ほど。シャトルバスもなく、トレイルで楽しむのがメインの上級者向けのエリアですが、静かにグランドキャニオンを楽しみたい方におすすめです。
ノースリム唯一の宿泊施設グランドキャニオン・ロッジは半年~1年前に満室になることも珍しくないため、宿泊には長期的な計画が必要ですが、絶景を望むラウンジでのんびり過ごす時間は格別です。
国立公園外の近郊の街からアクセスも可能ですが、ビューポイントまでは車で1時間半~2時間ほど。街灯は一切なく、バッファローを含む大型野生動物が多数生息しているため、日没前・後のアクセスは控えましょう。
グランドキャニオン・ロッジから始まる往復1km弱のトレイル。アップダウンで少し息切れしつつも、終点からは360度を見渡す絶景が望めます。
ロッジから車で約1時間の絶景ポイント。突き出した断崖の絶壁部分にぽっかり空いた逆三角形の穴「エンジェルズ・ウィンドウ」が有名。目を凝らすと、穴の向こうにサウスリムのウォッチタワーが見えます。
ロッジから車で約20分の国立公園最北部にあるもっとも標高が高い展望台。マウントヘイデンと呼ばれる尖った岩が特徴です。
ここは国立公園の外に位置する先住民族ワラパイ族の居留区のある、グランドキャニオンウェスト。峡谷での工事が最小限に限られる国立公園と異なり、ワラパイ居留区内では、部族の承認が下りれば工事も可能。峡谷に付けられたガラスのU字型の橋「スカイウォーク」ができてからは、閑散としていたウェストが大人気エリアに生まれ変わりました。強化ガラス製の床から約1,200m真下の谷底を見下ろすスリルが味わえます!
なお、サウスリム内部の西端「ウェストリム」を「グランドキャニオンウェスト」と混同されることが多いのですが、サウスリムとグランドキャニオンウェストは直線距離で150km以上離れています。サウスリムとノースリムではスカイウォークを見ることができないためご注意ください。
「高さ1.5km程度の峡谷であれば、ちょっと降りてみたい」という印象とは裏腹の過酷な谷底へのトレイル。ほぼ垂直に切り立った峡谷のため、スイッチバックを繰り返すため下りは最低でも5時間、上りは10時間近くを要する殆ど登山並みのルートです。日陰もなく、途中の休憩ポイントなどもないため、悲しいことに無計画に谷底を目指し死亡する人も珍しくないのが実情。谷底を目指す場合、事前準備と情報収集が必須です。
『夏しか行けないと聞いたことがある』、『年中暑いんでしょ?』などの間違ったイメージも多いものの、サウスリムは年中オープンしています。四季折々の美しさがあり、夏は暑く、冬は寒いので、訪れる季節に応じた準備が必要です。
新緑の季節。赤茶色の峡谷と緑が映え、写真写りも最高です。
日中は薄手の長そで、半そで+羽織りなどでも過ごし易い気候。但し、朝晩は冷え込む日も多いので、宿泊の場合はジャケットを忘れずに。
野生動物が活動的になる季節。エルクや鹿などを見かけることもあります。
日中は30℃前後になる事も多い時期。標高が高いので帽子など日焼け止め対策は必須。
晴天でも夏に比べて日が傾いてるため、峡谷の陰影が美しい時期です。一部紅葉も見られます。
春に比べると氷点下になることも少なく、朝昼晩と過ごしやすい。薄手の上着があると便利です。
空気が澄み渡り、対岸まで見渡せる時期。雪景色のグランドキャニオンは格別の美しさです。
日中も氷点下になる日が多いので、ダウンジャケット、手袋などの防寒着は忘れずに。
カリフォルニア・コンドルは、全長1m、羽を広げると2mを超える巨大な鳥。絶滅危機のある動物として指定されています。80年代には1桁台まで数が減ってしまったものの、行政と専門団体による管理の結果、数が増えてきました。野生のコンドルはカリフォルニア、ユタ、アリゾナを中心に生息していますが、自然が残るグランドキャニオン近辺で見かけることが多く、国立公園でもコンドル保護活動を熱心に行っています。行動認識のために確認されているコンドルは羽の下に番号札が付けられているため、飛んでいれば一目瞭然。 グランドキャニオンでは、ぜひ空も見上げてコンドルがいないかチェックしてみては?
「ラバ」や「ミュール」と呼ばれる馬とロバの交配種。グランドキャニオンではこのラバに乗ってトレイルを行くツアーが大人気で、カウボーイハットを被った一行が乾いた大地を行くアメリカ西部らしい風景が楽しめるかもしれません。
長時間ラバの背に乗って崖っぷちスレスレの道を行くのは簡単ではなく、危険が付きものであることから、ラバツアーへの参加は体重制限のほか、ガイドによって体力や英語力を厳しく判断されます。例え予約をしたとしても、当日キャンセルされてしまうことも。とっさの時に英語の指示を理解できない方への責任が取れないためです。
先住民族に古くから伝わるお守り「ドリームキャッチャー」も人気ですが、最近人気が高いのは素焼きの焼き物。巨大な壺から、ちょっとしたジュエリーを入れられるような小さな入れ物まで、その種類も豊富です。すべて手作りなので同じものは2つとありません。自分にぴったりの一品を見つけてみては?
人気かつお手軽なグランドキャニオンへの行き方は、ラスベガス発着の現地バスツアーに参加すること。日帰りから宿泊付ツアー、グランドサークルのその他スポットも同時に巡るツアーなど、豊富な選択肢から選ぶことができます。
長い距離を走破するため、HISのバスツアーではドライバー交代制などの安全面に配慮したツアーを多数ご用意しています。安心できるバスの中で、アメリカ大自然の車窓の景色を満喫してください。
グランドキャニオンでたっぷりフリータイムを楽しみたい方、アメリカ西部を自分でドライブしたい行動派の方にはレンタカーの利用がおすすめ!時間の許す限り、グランドサークルのその他スポットにも自由に立ち寄ることができます。
地平線までまっすぐの一本道、ついスピード出したくなりますが、取締りも厳しいのでご注意ください。
飛行機、ホテル、現地オプショナルツアーを別々に手配することは以外と手間がかかるもの。よりお手軽にグランドキャニオンに訪れたい方には、日本からの往復の飛行機、宿泊するホテル、観光がセットになったパッケージツアーがおすすめ。特に、日本から添乗員が同行するツアーは初心者の方にも安心してご参加いただけます。
日本からの航空券、現地で滞在するホテルは早めの予約がおすすめです。特にグランドキャニオン国立公園内のホテルは大人気。朝日や夕日、星空観賞など、日帰りツアーでは味わえない大自然のスケールを満喫してください。
グランドキャニオンを中心に、アリゾナ州とユタ州に広がる広大な西部の大地。ダイナミックな自然があるがままの姿で保護される国立公園が集中するこの地域は「グランドサークル」と呼ばれ、アメリカ大自然観光のハイライトコースとして親しまれています。
グランドサークル中央部、ネイティブ・アメリカンのナバホ族居留地にある、流線形に侵食された砂岩に囲まれた峡谷。キャニオンの上流に降る雨がもたらす鉄砲水と風が、長い年月をかけて砂岩を狭く深く削り出すことで造られました。
いくつもの渦を巻いたような模様を描く岩壁、その隙間から差し込む太陽光線が絶景スポットとして人気です。
観光エリアは「アッパー・キャニオン」と「ローワー・キャニオン」の2つに分かれていて、現地オプショナルツアーではどちらか一方のみに訪れるものがほとんどです。
全長約2,330kmのコロラド川が、まるでダンスのターンをきめたように急激に蛇行するホースシューベンド。
コロラド川が馬の蹄鉄のように蛇行していることから、この名が付けられました。深さ300mを超える谷間は写真で見るよりも巨大!
比較的近くにあるアンテロープキャニオンとセットで訪れるツアーが多くあります。
広大な砂漠の真ん中に突如現れる巨大な石峰。赤茶けた大地にメサ(テーブル状の台地)やビュート(風雨に侵食されて棒状になったメサ)が点在する、数々の西部劇映画の舞台となったアメリカ西部の原風景です。
先住民ナバホ族の聖地であり、ナバホネイションとして独立した自治区でもあるため今も多くのナバホ族が暮らしています。
ビュートの近くまで行けるバレードライブツアーなどもあるので参加してみては?
世界的なパワースポットとして知られるセドナは、時間がゆっくり流れるリゾート地。周囲を赤茶けた岩山と、緑豊かな自然に囲まれています。地球のエネルギーを強く発する「ボルテックス」が集中しているとされ、ヒーリングを求める観光客が世界中から集まります。
レストランやカフェも多く、土産物店ではパワーストーンやスパグッズなどのショッピングが楽しめます。
正確にはセドナはグランドサークル外に位置していますが、比較的近郊のため一緒に訪れるスポットとして人気です。
公園内には2,000を超える自然にできた巨大な砂岩のアーチが点在し、まるで野外美術館のようなほかに類を見ない景観を楽しめます。特に、自然の造形物とは思えないほど完成された姿の「デリケートアーチ」が最大の見どころ。
グランドサークルの中でもラスベガスから最も遠いエリアに位置するため訪れるツアーは少ないですが、ぜひ足を延ばしていただきたいスポットです。
穏やかな森や草原に突然現れる褐色の尖塔群は圧巻。長い年月をかけて風雨に浸食されてできた断崖やさまざまな形の岩が印象深い国立公園です。
光によってさまざまな表情を見せるため、グランドサークルの中でも特に美しい色彩を楽しめるキャニオンと言われています。
グランドサークルはレイクパウエルを中心とした半径230km円内を指しているため、レイクパウエルはグランドサークルの中心地。
コロラド川を堰き止めることで造られた、全米で2番目に大きい人工湖です。その全長は、東京~名古屋間に相当する約300kmにも及びます。
アリゾナ州のほぼ全土と、その他周囲の州の電力・水の供給源として活躍しています。
ルート66の愛称で今なお愛される、シカゴからサンタモニカまで8つの州を結ぶ全長3,755kmのアメリカ旧国道。グランドサークル観光では、古き良きアメリカの面影を残すこの道の一部を走ります。 途中、ノスタルジックな街並みが残るセリグマンなどの街を中継するツアーが多いため、写真撮影も楽しめます!
持ち物やトイレ事情など…グランドキャニオンに関する「よくある質問」に、グランドキャニオンによく訪れるHIS現地支店スタッフがお答えします。